無意識にできること

語学教育に関して何の知識もない人が、母国語を教えるのは非常に難しいことです。誰でも、母国語を操る時は特に発音方法を意識することもないでしょうし、状況によって発する言葉を使い分けているはずです。英語のネイティブスピーカーも同様です。日本人には難しい発音でも、無意識のうちにできます。文法を考えながら英会話をしているということもないでしょう。


したがって、ネイティブスピーカーであれば、誰でも母国語を上手に教えられるというわけではないといえると思います。「人に教える」ということが理解できていて、訓練していなければなりません。海外の有名な大学教授も「英語のネイティブスピーカーだからといって、英語教師になれる資格があるわけではない」と話しているそうです。


「天才」と呼ばれる人たちのことを考えてみると、もっとわかりやすいかもしれません。スポーツや芸術の分野などで天才と呼ばれた人たちが引退した後、同じように指導者としても天才と呼ばれることは稀だと思います。なぜなら、彼らは並外れた努力と才能で天才と呼ばれており、才能の部分はできることが当たり前であるため、言葉で他の人にうまく教えられないからです。


努力をして重ねて身につけたいことに関しては、自分がどのような努力をしてきたのかを教えることができるでしょう。しかし、センスだけでできていたことは自分の中で無意識ですので、方法論としてアウトプットすることは難しいと思います。